2024年、メディアプラットフォーム「note」が日本のデジタル業界でその存在感を際立たせました。世界的なデジタル分析企業Similarwebが発表した「Digital 100」において、noteはウェブサイトとアプリの両方で最も高い成長率を記録し、栄えある「Digital Winner」の称号を獲得しました。これは、noteが単なるコンテンツプラットフォームにとどまらず、「人々が日常的につかうインフラのような場」へと進化していることを明確に示しています。
Similarweb「Digital 100」とは?
「Digital 100」は、Similarwebがウェブサイトのトラフィックとアプリの利用状況を詳細に分析し、その成長率に基づいて優れたデジタルブランドを選出するものです。ウェブサイトは月間訪問数10万以上のサイトを対象に前年比の訪問者数増加率で、アプリはAndroidとiOSの両方で提供され、各プラットフォームで月間5,000人以上の利用があるものを対象に評価されます。
noteが選出された「Big Winners」カテゴリーは、すべてのカテゴリーから選ばれたトップ250のウェブサイトとトップ10%のアプリが評価の対象となるため、noteの受賞は日本におけるデジタルブランドとしての傑出した成長を意味します。
驚異の成長率! noteが「Digital Winner」に選ばれた理由
Similarwebの調査によると、noteはウェブサイトの訪問者数が前年比37%増、アプリのアクティブユーザー数が同20%増と、ともに高い成長率を記録しました。この数字は、noteが単にユーザー数を増やしただけでなく、既存ユーザーのエンゲージメントも高め、持続的な成長を実現していることを示しています。
創作活動を支援し、読者との出会いを創出するnoteの取り組み
noteの驚異的な成長の背景には、多岐にわたる戦略と施策があります。noteは、クリエイターの創作活動を強力に後押しすると同時に、読者が良質なコンテンツと出会える環境を整備することで、プラットフォーム全体の活性化を図ってきました。
クリエイターを支える「カイゼン」と「機会創出」
noteは、毎日4万件以上もの記事が投稿される国内最大規模のメディアプラットフォームへと成長しました。この活発な創作活動を支えているのが、noteが継続的に行っている細かな「カイゼン」や「機能追加」です。使いやすさの向上や新しい表現方法の提供など、クリエイターがよりスムーズに、より楽しく創作を続けられるための改善が日々行われています。
また、noteはメディアと連携した「デビューの機会づくり」にも注力しています。noteでの活動がきっかけで書籍化されたり、他のメディアで執筆する機会を得たりと、クリエイターの活躍の場を広げるサポートを行っています。実際に、これまでにnoteから書籍化された作品は300冊を超え、上位1000人の年間平均売上は1332万円を超えるなど、クリエイターが創作活動で生計を立てられる可能性を広げています。
読者のエンゲージメントを高める「SEO対策」と「レコメンドエンジンの改善」
noteの成長は、クリエイター側の取り組みだけでなく、読者側の利便性向上にも支えられています。noteはSEO対策を強化し、検索エンジンからの流入を増やすことで、より多くの読者がnoteにアクセスできるよう尽力してきました。
さらに、レコメンドエンジンの改善により、読者の興味関心に合ったコンテンツを効率的に提示することで、読者が「好きなコンテンツと出会いやすい環境づくり」にも取り組んでいます。これにより、読者はnoteに滞在する時間が長くなり、クリエイターのコンテンツがより多くの人々に届くという好循環が生まれています。
ユーザー数の拡大と経済圏の成長:1000万人突破の衝撃
noteは、2024年11月末時点で月間アクティブユーザー数が前年比28%増の6,574万、会員数は同22%増の893万人を記録し、サービス開始から10年以上が経過してもなお、大きく成長を続けています。そして2025年6月には、ついに会員数が1000万人を突破したことが公式に発表されました。
堅調なユーザー基盤と「書く」を超えた価値提供
noteは2014年4月にサービスを開始し、8年目(2022年)に会員数500万人を達成。その後わずか3年でさらに倍増し、2025年6月に1000万人に到達しました。会員登録をしなくても記事を読めるため、実際の利用者数はさらに多く、月間アクティブユーザー数(MAU)は2025年2月時点で7359万人にのぼります。
noteの会員になることで、ユーザーは記事の投稿や有料コンテンツの購入、クリエイターへの応援など、より積極的な創作活動に参加できるようになります。noteは単に文章を「書く」場に留まらず、クリエイターと読者が交流し、新たな価値を生み出すプラットフォームへと進化しているのです。
拡大する法人アカウントと社会インフラとしての役割
noteの成長は個人ユーザーに限定されません。法人アカウントも拡大しており、2025年5月時点で5万件を超えています。公的機関や教育機関での利用も急増しており、noteが単なるメディアプラットフォームとしてだけでなく、企業や団体、そして社会全体の情報発信インフラとしての役割を担いつつあることを示しています。
クリエイターが自由に値づけをして自分のコンテンツを販売できる機能も、noteの成長を後押しする重要な要素です。年間流通総額は前年比24%増の170億円超(2024年11月期)を記録しており、noteがクリエイターエコノミーを牽引する存在として、経済的な価値も創出していることがわかります。
noteの「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というミッションは、着実に実現へと向かっています。今後もnoteがどのように進化し、日本のデジタルコンテンツ市場を牽引していくのか、その動向から目が離せません。
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