アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズのセレクション放送「ゲゲゲの鬼太郎 私の愛した歴代ゲゲゲ」の7月から9月期の新エンディングテーマが、演歌歌手・山内惠介さんが歌う「闇にご用心」に決定しました。この楽曲は、同郷・福岡で高校の先輩でもある椎名林檎さんがプロデュースを手掛けたことで、早くも大きな注目を集めています。ジャンルの壁を超えた異色のコラボレーションは、どのようにして実現したのでしょうか。
紅白歌合戦での再会が呼んだ軌跡:椎名林檎へのラブコール
この夢のタッグが実現するきっかけは、昨年のNHK紅白歌合戦での再会にありました。山内惠介さんは、かねてより椎名林檎さんの才能に魅了されており、紅白の舞台で再会した際に「いつか曲を書いてほしい」と直接依頼したといいます。その約束からわずか半年ほどで、この夢のようなコラボレーションが実現しました。山内さんは、「『ゲゲゲの鬼太郎』という長年愛されている作品に携われること、そして『ゲゲゲの鬼太郎』が繋いでくださったご縁と快諾してくださった椎名林檎さんに感謝の気持ちでいっぱいです」と、喜びと感謝の気持ちを語っています。
「闇にご用心」:椎名林檎の世界観が凝縮されたサウンド
新エンディングテーマ「闇にご用心」は、椎名林檎さんならではの独創的な世界観が色濃く反映された楽曲となっています。歌詞と旋律からは和のテイストが強く感じられ、そこにソリッドなバンドサウンドと華やかな管楽器が加わることで、独特のハーモニーを生み出しています。山内惠介さんは、この楽曲で大人の色気を感じさせる力強く艶っぽい歌声を披露しており、「『ゲゲゲの鬼太郎』そのものの世界が椎名さんの詩とメロディによって表現されていて、アップテンポでありながらジャジーな曲で、とにかくおしゃれなサウンドになっています」と、その完成度に自信をのぞかせました。
高校の先輩後輩が織りなすレコーディング秘話:新たな歌唱法への挑戦
レコーディングでは、山内惠介さんと椎名林檎さんの間で、高校の先輩後輩という関係性ならではのユニークなやり取りがあったようです。山内さんは、「東京でお仕事としてご一緒させていただいているけれど、どこか学園祭のノリのような空気感もあり、歌い手としてはもちろん、高校の先輩でもあるので、ディレクションいただいた時も疑問は全くなく、『うっす!』という感じでした」と、和やかな雰囲気の中でレコーディングが進んだことを明かしています。
特に印象的だったのは、椎名林檎さんからの新たな歌唱法へのリクエストでした。「唸ったり、頭の文字を揺らすというような、今までしてこなかった歌い方を椎名さんからリクエストいただきました。この楽曲で脱皮した山内惠介をお届けできると思います」と語る山内さん。椎名さんの明確な世界観を表現するために、これまでの歌唱スタイルを打ち破る挑戦をしたことが伺えます。「椎名さんの中では『こういう風に歌ってほしい』という世界観が完成していたので、それを自分が何個できるのだろう、そしてできればできるほどこの楽曲の姿形がはっきりしてくるのだろうなと思って、頑張りました」と、レコーディングを振り返りました。
「歌一筋に生きてこられた方」:椎名林檎が山内惠介に送るメッセージ
レコーディング後、椎名林檎さんから山内惠介さんへ「山内惠介さんは歌一筋に生きてこられた方だからこういう表現をされるんだなということを、レコーディングをやっていて感じました」というメッセージが贈られたといいます。これは、山内さんの歌手としての真摯な姿勢と、長年のキャリアで培われた表現力が、椎名さんの求める世界観と見事に融合したことを示唆しています。
「闇にご用心」に込められた願い:挑戦と「ゲゲゲの鬼太郎」への愛
山内惠介さんは、この楽曲のお披露目に向けて「この曲を聞けばすぐに『ゲゲゲの鬼太郎』が思い浮かぶような、長く皆さんに愛される楽曲になるとうれしいです。そして僕自身もこの楽曲でたくさんのことに挑戦しましたが、みなさんにも『ゲゲゲの鬼太郎』の世界観を思い浮かべながらこの楽曲を聴いてもらって、いろんなことにトライしてほしいなと思います」と語り、楽曲への熱い思いとリスナーへのメッセージを送っています。
山内惠介からのメッセージ:デビュー25周年のギフトと自由への探求
山内惠介さんは、今回のコラボレーションについて「二重の喜びでした。『ゲゲゲの鬼太郎』のエンディング曲を歌える上に、作詩・作曲を母校の先輩である椎名林檎さんに書いていただけて、デビュー25周年のギフトだと受け止めています」とコメントしています。
さらに、「『闇にご用心』は難解で難曲ですが、歌えるとその先には自由が待っています。ただし、自由を履き違えると一寸先は闇。そう、闇にご用心なのです」と、楽曲が持つ深遠なテーマと、歌い手としての自身の哲学を語りました。この言葉からは、単なるエンディングテーマに留まらない、芸術作品としての「闇にご用心」への強い想いが感じられます。
まとめ:「闇にご用心」が描く新たな「ゲゲゲの鬼太郎」の世界
山内惠介さんと椎名林檎さんという、日本の音楽シーンを代表する二人のアーティストが織りなす「闇にご用心」。この楽曲は、「ゲゲゲの鬼太郎 私の愛した歴代ゲゲゲ」の7月6日放送回からエンディングテーマとして使用されます。演歌とロック、それぞれのジャンルで確固たる地位を築いてきた二人が、どのように「ゲゲゲの鬼太郎」の世界を表現し、新たな魅力を引き出すのか。その化学反応に、日本中の注目が集まっています。
このコラボレーションは、音楽のジャンルや世代を超えた、まさに「ゲゲゲの鬼太郎」が繋いだ奇跡の縁と言えるでしょう。皆さんはこの新たなエンディングテーマ「闇にご用心」に、どんな期待を抱きますか?
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