キーエンスの驚異的な成功の秘訣:「静寂経営」とは?
「キーエンス」という社名を聞いたことがあるでしょうか? もしかしたら、その平均年収が2000万円を超える「超有料企業」という側面で耳にしたことがあるかもしれません。センサーなどの開発、製造、販売を手掛けるB2B企業であるキーエンスは、製造業としては驚異的な50%もの利益率を誇ります。これは、一般的に10%が優良とされる製造業において、桁外れの数字です。
常識を覆すビジネスモデル
キーエンスの成功には、いくつかのユニークなビジネスモデルが関係しています。例えば、自社で製品を店舗に並べず、顧客に直接販売する**「直販スタイル」。そして、自社の工場を持たない「ファブレス経営」もその一つです。しかし、著者が最も大きな違いとして挙げているのは、「静寂(せいじゃく)に基づいて動いているか」**という点です。
「静寂説」という言葉はあまり聞き慣れないかもしれません。これは、「人は善でも悪でもなく、弱い存在である」という前提で物事を考える姿勢を指します。人は皆、難しいことや新しいことを避けがちで、やると決めた勉強や筋トレも平気でサボってしまうものです。階段よりもエレベーターを選んでしまう、といった経験は誰にでもあるでしょう。キーエンスでは、このような人間の「弱さ」を前提とし、「放っておけばサボる」「楽な方に流されてしまう」という考えのもと、その弱さから来るミスやサボりを防ぐための仕組みを作り、人を動かしているのです。
今日の解説を通して、キーエンスが実践する「静寂経営」について深く理解できるようになるでしょう。それでは、早速その核心に迫っていきます。
「性弱説」とは何か? 性善説・性悪説との比較で理解を深める
キーエンスが実践する静寂説について詳しく見ていく前に、まずはこの考え方がどのようなものなのかを、一般的な「性善説」や「性悪説」と比較しながらその特徴を明確にしていきましょう。
性善説:人の善意を信じるスタンス
まず、性善説とは「人は皆、本来善良である」という考え方です。ビジネスにおいては、「ちゃんと説明すれば理解してやってくれるはず」「マニュアルを作ればきっとその通りに動いてくれるだろう」「スケジュールを伝えれば守れるだろう」といったように、相手の自主性や善意を信じるスタンスを指します。
性悪説:人を疑ってかかるスタンス
一方、性悪説はその逆です。「どうせサボるだろう」「きっと手を抜くに違いない」と、最初から人を疑ってかかるスタンスです。
それぞれの課題点
性善説の場合、社員を信じた結果裏切られたり、ミスに失望したりすることがあります。性悪説では、最初から相手を疑っているため人間関係がギスギスし、常に監視しなければならないといった弊害が生じやすいものです。どちらの考え方も、ビジネスにおいては課題を抱えていると言えるでしょう。
静寂説:人の「弱さ」を理解し、仕組みでカバーする
そこで登場するのが、静寂説です。これは「人は弱いので放っておけばサボる、忘れる、楽な方に流されてしまう」という考え方です。具体的には、「マニュアルを作ってもその通りに動けないかもしれない」「仕事を頼んでも抜けや漏れがあるかもしれない」「スケジュール通りに進まないかもしれない」といったスタンスを取ります。
つまり、人は悪意があるからミスしたりサボったりするのではなく、弱さゆえにミスやサボりが起きる、と考えるのです。この前提に立つことで、「ではどうすればその弱さをカバーできるのか」「ミスを防ぐ仕組みは何か」という思考へと繋がり、具体的な仕組みづくりへと発展していきます。
「人は弱いから仕組みやシステムでカバーしよう」というのが、静寂説的な考え方です。この基本を理解した上で、実際のキーエンスの事例を見ていきましょう。
キーエンスが実践する「静寂経営」の具体的な仕組み
ここからは、キーエンスが静寂説に基づいて構築している具体的な経営システムを見ていきましょう。
1. ニーズカード制度:顧客の声を自動的に集める仕組み
キーエンスでは、営業担当者が日々**「ニーズカード」**と呼ばれるものを集めています。これは、お客さんの困っていることや「こんな商品が欲しい」といった声が書かれた、いわばアンケートのようなものです。毎月数千枚ものニーズカードが集まるからこそ、キーエンスは世界初、業界初の新商品を次々に生み出すことができるのです。
しかし、いくらキーエンスにとってニーズカードが重要だとしても、「お客さんの声を拾ってきてね」と口頭で営業担当者に伝えるだけでは、人は「今日はいいや」「まあ、今度でいいか」と後回しにしてしまいがちです。
そこでキーエンスでは、もう一歩踏み込み、カードが自然と集まる仕組みを構築しています。具体的には、カードを提出しなければ人事評価に響くようにし、逆に良い情報を持ち帰れば報奨金が出るようにしているのです。これにより、営業担当者はニーズカードを提出せざるを得ない状況になります。このように、静寂説とは「人は誰でも楽な方に流される」という前提に立ち、人の弱さを責めるのではなく、弱くても動ける仕組みを先に作っておく考え方なのです。
2. 顧客自身が気づいていない「困りごと」を見抜いて提案する
キーエンスでは毎年たくさんの新製品を生み出していますが、顧客の要望通りの商品を作ることはほとんどないと言います。これは意外に感じるかもしれません。普通は「お客さんが欲しいと言っているものを作るべき」だと考えるからです。
ここにも静寂説が関係しています。つまり、「お客さんは自分が本当に欲しいものに気づいていないかもしれない」「何に困っているのか自分でも自覚していないかもしれない」とキーエンスは考えるのです。
そもそも人間は、意思決定の95%を無意識で行っていると言われています。理由はうまく言えないけれど「なんかいい気がする」という感覚で商品を選んでいることが多いのです。Appleのスティーブ・ジョブズも、「消費者に何が欲しいか聞いてそれを与えるだけではいけない。多くの場合、人は形にして見せてもらうまで自分は何が欲しいのか分からないものだ」と述べています。
つまり、私たちは自分の欲しいものを意識できていないことが多いからこそ、お客さんの声をそのまま鵜呑みにしてはいけないのです。実際、お客さんの要望通りに作ったのに全く売れなかった、というケースはよくあります。本当に大事なのは、お客さん自身も気づいていない潜在的な困りごとや、本当に欲しいものを見つけ、それを形にすることなのです。
では、どうやってそれを見つけるのでしょうか? 例えば、お客さんが「この機械のスピードを上げたい」と言ってきたとします。普通なら「では、もっと速い機械を作りますね」となるでしょう。しかしキーエンスでは、「なぜスピードを上げたいのか」「生産効率が悪いのか」「不良品が出る確率が高いからなのか」と、隠されていた本当に解決すべき課題を深掘りし、それに対する最適な手段を提案するのです。お客さんの言葉の奥にある「本当の悩み」を見つけることに注力します。
また、そうやって作った商品を売る際も、「お客さんは自分の困り事を認識していないかもしれない」という前提に立って商品を提案します。例えば、「フライパンを買いませんか?うちの商品は質がいいんですよ」と言われても、今困っていなければ買わないでしょう。しかし、「フライパンって5~6ヶ月使うとダメになると思うんですけど、鉄のフライパンだと一生使うことができるんです。ちょっと高いけど、今後何度も買い換えることを考えたら、最初にこれを買った方がお得ですよ」と言われたらどうでしょうか。きっと、考えてしまうはずです。
このように、大抵の人は自分が本当に欲しいものや、何に困っているのかに気づいていないことが多いのです。そこを明確にしてアプローチするのが、キーエンス流です。ここでは、静寂説に基づいてお客さんに本当に必要な価値を提案するということを覚えておいてください。
3. 営業担当者と上司の「認識のずれ」を減らす仕組み
「上司が予算を聞いてきてくれるだろう」とか、「この内容はきっと伝えてくれるはず」と期待していたのに、部下から「え、そんなの聞いてませんけど」という返事が返ってくることはよくあります。上司は「言わなくても分かると思っていた」のに、部下は「そんなの聞いてない」というように、お互いの認識が食い違ってしまうあの感じです。
こういった、どこにでもある認識のずれに対して、キーエンスでは「営業担当者も人間だから、大事なことを聞き漏らしたり伝え忘れたりすることもある」と考え、ミスが起きない仕組みづくりを行っています。
具体的には、営業担当者が客先に行く前に、毎日10〜15分上司との打ち合わせを行っています。その打ち合わせの中で、「今日はお客さんの予算を必ず確認してきて」「この商品のここをしっかりアピールしてきてね」というように、聞くべきことと伝えるべきことを事前にすり合わせています。さらに、上司がお客さん役になって模擬商談を行うこともあるそうです。
こうして事前の準備をしっかりやっておくことで、言い忘れ、聞き漏れ、勘違いがぐっと減り、商談の成功率も大きく上がるのです。
「そこまで細かく管理されたら、信用されていない気もする」と感じるかもしれません。しかし、これは性悪説のように「どうせ聞いてこないだろう」と社員を疑っているわけではありません。「能力はちゃんとある。でも人間は誰だってミスしてしまうから、それを仕組みでカバーしよう」というのが静寂説のスタンスなのです。
さらに、部下の立場からしても、これはありがたいことだと考えられます。なぜなら、何を聞けばいいか、何を伝えればいいかが事前に明確になっている方が安心ですし、後から「なんで聞いてこなかったの?」と怒られるリスクも減るからです。
ここでは、事前に聞いて欲しいことを共有することで、上司と部下の認識のずれを減らしているということを覚えておいてください。
4. 1分単位の日報で業務を「見える化」し、無駄とサボりを排除する
社員が1時間にどれくらいの付加価値を生み出しているかを示す指標に**「付加価値生産性」**というものがあります。これは、会社の売上高から仕入れや経費を引いた純粋な儲けを社員の労働時間で割って算出します。例えば、付加価値生産性が6,000円であれば、その社員は1時間で6,000円分の価値を生み出す仕事をしたことになります。
キーエンスでは、この付加価値生産性をものすごく重視しており、目標として社員1人あたり1時間で3万円以上の付加価値を出すことを目指しています。これは非常に高い目標です。もし仮に1日8時間働くとするなら、社員1人で1日に24万円分の価値を生み出す計算になります。
この非常に高い付加価値生産性を達成するには、当然ながら時間の使い方が非常に重要になってきます。しかし、上司から「時間を大切に使ってください」と言われただけでは、なかなか人の行動は変わらないものです。正直、次の日には忘れてしまうかもしれません。
そこでキーエンスでは、社員に1分単位で日報を書かせています。1分単位とは、1分ごとに「これやった」「あれやった」と細かく書くことを意味します。確かに手間はかかりますが、あえて1分という非常に細かい単位で区切ることで、「この1分間自分は何をしていたのか」「その行動は価値を生み出していたのか」と常に自分の行動を意識せざるを得なくなります。これなら、サボれないというか、ごまかせないというか、といった状態になります。
それが結果的に、自分の時間の使い方を本気で見直すきっかけとなるのです。そもそもキーエンスの根底には「人は見えないものを管理できない」という考え方があり、面談数、提案数、受注率なども全て数字で見えるようになっています。
これは意外と見落としがちですが、非常に大事な考え方です。私たちも何かを良くしたいと思うのなら、それを具体的に記録して見える化しなければなりません。例えば、体調を気にしているのであれば、何を食べたのかや何時に寝たのかを細かく記録する必要があります。そうやって見える化しておかないと、自分の体調に影響を与える食べ物に気づくことはできないのです。
ここでは、1分単位で日報を書き、業務を細かく見える化するということを覚えておいてください。
5. 上司が顧客に直接電話し、提案への満足度を確認する「ハッピーコール」
これは先ほどの1分単位の日報の話とも繋がりますが、いくら部下に細かく日報を提出させても、そこに嘘を書く人が出てくる可能性もゼロではありません。人は楽な方に流されやすいので、「ちょっとくらいごまかしてもバレないだろう」と考えて、面談件数を水増しして報告したり、外回りの途中でこっそり休憩したりする人も、残念ながらいるかもしれません。
しかし、もしずるをした方が評価されたり、得をしたりする職場だったらどうでしょうか。真面目にやるのが馬鹿らしくなり、モチベーションも下がってしまうでしょう。ゲームでもチート行為が放置されていると、真面目にプレイしている人たちのやる気が失われていくのと同じで、ずるが得をする状況は、真面目に頑張っている人のモチベーションを下げ、結果的に会社全体の士気や生産性を落としてしまいます。だからといって、「みんなずるしないでね、信じてるよ」なんて性善説的なアプローチを取ったところで意味はありません。ずるするやつはするからです。
だからキーエンスでは、もう一歩踏み込んで、ずるができない、ずるしても得をしない環境を仕組みとして徹底的に作り上げています。
その仕組みの一つが、**「ハッピーコール」**と呼ばれるものです。これは、上司が部下の営業先のお客さんに直接電話をかけ、「いつもお世話になっております。先日お伺いした部下の対応はいかがでしたでしょうか?ご説明は十分でしたでしょうか?」というように、部下の仕事ぶりが日報の報告通りか、そしてお客さんが本当に満足しているかをサボりなく確認するのです。
「全然ハッピーじゃない」「緊張感半端ない」と感じるかもしれません。しかし、それくらいキーエンスは、サボった人が得する状態を徹底的になくそうとしているのです。これは本気で取り組んでいる証拠と言えるでしょう。
というわけで、ここでは上司が顧客に直接電話して提案に満足していたか確認するということを覚えておいてください。
6. 「努力不足」で終わらせず、真の原因を深掘りする
会社で目標を達成できなかった人が「すみません、努力不足です」と上司に謝っている場面を見たことはないでしょうか。大抵の上司も「きつく言えば次は工夫するだろう」くらいで終わってしまうことが多いでしょう。しかしキーエンスでは、「人は弱いから、謝っただけではまた同じミスを繰り返す」という静寂説の考え方で社員と向き合っているため、必ずうまくいかなかった原因を見つけさせるのです。
実際に著者がキーエンスで営業していた時、「努力不足で目標を達成できませんでした」と報告したところ、上司から「努力不足というのなら、何の努力が足りなかったのかを聞かせてください。もし時間が足りなかったのであればなぜ足りなかったのか、準備ができていなかったのであればどうすれば準備できるようになるのかを教えてください」と徹底的に原因を追求されたそうです。
これは厳しいと感じるかもしれませんが、当たり前の話です。うまくいかなかった原因を見つけて改善しない限り、人は何度でも同じミスを繰り返します。多くの人は考えるのが面倒くさくて原因を放置しがちですが、時間あたりの生産性を重視するキーエンスでは、ミスから学ばずに同じ失敗を繰り返すことは絶対にNGなのです。
さらに、そこで終わりません。キーエンスでは、もし「これが原因かもしれない」という仮説が見つかったら、実際にそれを試してもらい、月の真ん中にある中間会議で成果が出たかどうかをチェックします。もしそれで改善が見られなければ、原因が他のところにあるということなので、さらに原因の追求と対策の検討を続けてもらうことになります。
もちろん、このような徹底したやり方が合わなくて辞めていく人もいるでしょう。それでも食らいついてやり続ける人は、どうすれば改善できるかを常に具体的に考え行動し続けることになるため、ものすごいスピードで成長していくと言います。この本にも「キーエンスの営業担当者は3年もすれば一流に育つ」と書かれています。
当たり前のことですが、うまくいかなかった時は表面的な反省で終わらせず、原因を特定、対策を実行、成果を確認というPDCAサイクルを回し続けることが、成長には不可欠なのです。
7. 目標は「自分で決めさせる」ことで主体性を引き出す
多くの会社では、売上目標や日々の行動目標などを一方的に上司や会社が決めていることが多いと思います。いわゆる「ノルマ」のようなものが上から降ってくるイメージです。
キーエンスでは、面談数、提案数、受注率などを数字で見える化した上で目標を決めますが、面白いのは、どの目標に取り組むかは社員自身に選んでもらうという点です。会社が決めるのではなく、社員に決めさせるのです。
例えば、「ニーズカードを1日3枚以上取得する」とか「1日の訪問件数を5件から6件に増やす」といった行動目標を6つほど提示し、その中から2つを自分で選んでもらう、という形になります。
なぜわざわざそんなことをしているのでしょうか? それは、キーエンスが「人は他人に一方的に与えられた目標には本気になれないが、自分で決めた目標には本気で取り組める」と考えているからです。確かに、他人に決められた目標はあまりやる気が出ないかもしれませんが、自分で決めた目標はモチベーション高く挑めますよね。
ちなみに、3つ以上の目標を同時に追おうとすると負荷が大きくなってパンクしてしまうことがあるため、目標は2つに絞るのがちょうどいいようです。
8. 難しい仕事ほど「静寂説」が生きる
著者によると、この図のようにコピーを取ってもらったり、箱から商品を出して並べるような単純作業の仕事であれば、性善説でも特に問題ないと言います。それくらいの仕事ならそこまで深く考えなくてもできますし、多少ミスしても大きな問題にはならないからです。
しかし、新規顧客を10社獲得するといった難しい仕事の場合、何をすべきか自分で考えなければなりませんし、途中で「今日は気分が乗らないから営業をかけるのは明日にしようかな」といったように、人間の弱さが出て自分に甘くなりがちです。難しいことからは逃げたくなりますよね。
だからこそ、難しい仕事や高い成果を求められる仕事ほど、今日説明してきた静寂説をベースに、仕組みの力で人間の弱さをカバーする必要があるのです。
静寂説がもたらすストレス軽減効果
ここからは個人的な意見になりますが、静寂説はストレスが溜まりづらいのも良い部分だと感じています。例えば、誰かがずるをしたり、遅刻してきたら、普通は「ふざけんなよ」とイラッと来るでしょう。しかし静寂説で考えると、「弱さゆえに人はずるをするし、遅刻してしまう。もっと言うと、チートしたり万引きしたりしてしまう」と捉えることができます。そう考えると、そこまでイライラしなくなるのではないでしょうか。
もちろん、その人の弱さが表面化しないための仕組みをちゃんと作ることが大事なのですが、人を責めるのではなく、人の弱さが出てしまう構造を責める。これが静寂説です。例えば、商品を万引きする人がいるのなら、全ての商品にセンサーをつけて物理的に盗めないようにする、といった感じです。
参考になる部分は多いので、うまく自分の会社や仕事に合う形で取り入れていくと良いでしょう。ここでは、難しい仕事ほど静寂説が生きるということを理解しておいてください。
まとめ:静寂経営の 핵심要素
静寂経営とは、「人は弱いので放っておけばサボる、忘れる、楽な方に流されてしまう」という考え方に基づき、「できるだろう」と期待するのではなく、「できないかも」を前提に仕組みで人をサポートすることです。
具体的な仕組みは以下の通りです。
- ニーズカード制度: ニーズカードを提出しないと人事評価にマイナスになり、逆に良いニーズを出せば報奨金がもらえる。
- 顧客の潜在ニーズ発掘: お客さん自身が気づいていない困り事を見抜いて提案する。
- 事前のすり合わせ: 営業担当者は顧客を訪問する前に、上司から聞いてきて欲しいこと、伝えて欲しいことを事前に共有する。
- 1分単位の日報: 1分単位で日報を書き、やったことを細かく可視化し、無駄とサボりを排除する。
- ハッピーコール: 上司が顧客に直接電話し、担当者の提案が満足いくものだったかを確認する。
- 原因の深掘り: 努力不足で終わらせず、うまくいかなかった原因は何かを徹底的に深掘りする。
- 目標の自己決定: 目標は社員自身に選んで決めさせる。
- 高難度業務における静寂説の重要性: 難しい仕事ほど人の弱さが出やすいため、静寂説が生きる。
これらの仕組みは、人間の本質的な弱さを理解し、それを補完するシステムを構築することで、個人の能力を最大限に引き出し、組織全体の生産性を高めることを目指しています。
いかがでしたでしょうか? キーエンスの「静寂経営」は、一見厳しく見えるかもしれませんが、その根底には人間の弱さへの深い理解と、それらを仕組みでカバーすることで、より良い結果を生み出そうとする合理的な思想が流れています。
この考え方は、あなたの仕事や組織にも応用できるヒントがたくさんあったのではないでしょうか? ぜひ、今後の業務に活かしてみてくださいね。
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